未経験から看護師になるには？求人100件調査でわかった転職の現実と成功へのステップ

「未経験だけど、本当に看護師になれるのだろうか」「資格は取ったけれど、臨床経験がないのが不安…」

そんな悩みを抱えていませんか。安定性ややりがいを求めて看護師という職業に興味を持っても、未経験からの挑戦には多くの疑問がつきものです。

この記事では、キャリア情報メディア「シゴトのスベテ。」が、実際の看護師求人100件を徹底調査。客観的なデータに基づき、未経験から看護師になるための現実的な道のりと成功のコツを、プロの転職エージェントの視点から解説します。

シゴトのスベテ。編集部（運営会社：株式会社メルセンヌ）

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【大前提】看護師になるには国家試験の合格が必須

まず最も重要な大前提として、看護師として働くためには、年に一度実施される看護師国家試験に合格し、免許を取得する必要があります。そして、その国家試験を受験するためには、国が定めた教育課程を修了していなければなりません。

この記事では、主に「資格はあるが臨床経験がない方」を対象に解説を進めます。資格をまだ持っていない方は、まずこの項目で、国家試験の受験資格を得るための道筋を理解してください。

国家試験の受験資格を得るための主なルート

社会人など、高校を卒業した方が看護師国家試験の受験資格を得るための教育機関には、主に以下の選択肢があります。

その他、准看護師として実務経験を積んだ後に2年制の学校へ進学するルートなどもあります。まずはご自身の状況に合わせて、どのルートで受験資格を目指すかを検討することから始めましょう。

▶看護師に向いている人の特徴

【求人100件調査】資格があれば「臨床未経験」でも転職できる？

薬学部を卒業し、国家試験に合格したものの、様々な理由で臨床経験がない方も少なくないでしょう。「資格だけの自分でも、本当に看護師として働けるのだろうか」という不安は、当然のものです。

結論から言えば、看護師免許さえあれば、臨床経験がなくても転職は十分に可能です。「シゴトのスベテ。」編集部が実際の求人100件を調査したところ、その事実が明確なデータとして示されました。

採用のリアル：未経験者歓迎の求人は57%

「シゴトのスベテ。」の調査では、100件の求人のうち、57件が「未経験者歓迎」として、臨床経験を問わない応募を受け付けていました。

このグラフは、調査対象の求人100件における「未経験者歓迎」と「経験者のみ」の割合を示したものです。

この結果は、看護師業界が資格取得者をいかに求めているかを示しています。

実際に今回の調査でも、未経験者を歓迎する求人の多くで新人向けの研修制度や、先輩が同行して指導するサポート体制についての言及が見られました。資格さえあれば、安心してキャリアをスタートできる環境が用意されていると言えるでしょう。

データで見る！未経験看護師のリアルな働き方

資格を取得したものの、臨床経験がない場合、転職後の「年収」や「勤務先」、そして「年齢」は最も気になるポイントでしょう。ここでは、求人100件の調査から見えてきた、未経験看護師のリアルな姿を客観的なデータで解説します。

未経験者の初年度年収は350万円〜399万円が最多

今回の調査で最も多かった年収レンジは「350万円〜399万円」でした。臨床経験がなくとも、国家資格を持つ専門職として、安定した収入でキャリアをスタートできるのが看護師の大きな魅力です。

もちろん、勤務先の種類や地域によって差はあり、年収500万円以上を提示する求人も見られました。まずは着実に経験を積み、キャリアアップとともに年収を上げていくのが現実的なプランと言えるでしょう。

勤務先は「訪問看護」「介護施設」が中心

未経験者を歓迎する求人の勤務先を調査したところ、「訪問看護ステーション」が約35%、「介護施設」が約32%と、この2つの分野で全体の約7割を占める結果となりました。

高齢化社会を背景に、在宅医療や介護の現場で看護師の需要が非常に高まっていることが、このデータから読み取れます。これらの職場は、未経験者向けの研修制度が充実している傾向にあります。

「年齢不問」の求人が多数！40代・50代も活躍中

年齢に関する調査では、「年齢不問」を掲げる求人が多数を占めるという結果になりました。求人の中には「40代活躍」「50代活躍」「60代活躍」と明記している企業も複数見られます。

看護師は専門知識が重視されるため、年齢を重ねてからでも十分に活躍できる職種であることがデータから伺えます。

未経験からの転職を成功させる3つのコツ

資格さえあれば、未経験からでも看護師への道は開かれています。しかし、そのキャリアの第一歩を確実な成功に繋げるためには、いくつか重要なコツがあります。

プロの転職エージェントの視点から、特に意識すべき3つのポイントを解説します。

コツ1：教育・研修制度が充実した職場を最優先で選ぶ

未経験からの転職で最も重要なのは、入職後の教育・研修制度がどれだけ充実しているかです。このサポート体制が、その後のキャリアを大きく左右します。

具体的には、新人一人ひとりに先輩がついて指導する「プリセプター制度」や、体系的な「新人研修プログラム」が整備されている職場を選びましょう。

求人票だけで判断するのではなく、面接の場などで未経験者の受け入れ実績や具体的な教育スケジュールについて確認することが不可欠です。

コツ2：前職の経験を「ポータブルスキル」としてアピールする

臨床経験がないことを、必ずしも弱みと捉える必要はありません。むしろ、前職で培った社会人経験は「ポータブルスキル」として大きな強みになります。

たとえば、販売職や営業職で培った「コミュニケーション能力」や、オフィスワークでの「チーム内での連携経験」は、看護の現場で非常に価値が高いスキルです。患者さまやそのご家族、そして多くの医療スタッフと関わる看護師の仕事では、これらの経験が必ず活かせます。

面接では、前職の経験が看護師としてどのように貢献できるかを具体的に伝えることで、採用担当者にあなたのポテンシャルを強くアピールできます。

コツ3：転職エージェントを使いこなし、内部情報を得る

求人票だけでは見えない「職場のリアルな情報」を得ることが、入職後のミスマッチを防ぐ鍵です。そこで有効なのが、転職エージェントの活用です。

プロのキャリアアドバイザーは、求人票には書かれていない教育制度の実態や、職場の雰囲気といった内部情報に精通しています。さらに、一般には公開されていない「非公開求人」を紹介してもらえる可能性もあります。

応募書類の添削や面接練習といったサポートも無料で受けられるため、未経験からの転職活動を有利に進める上で、非常に心強いパートナーとなるでしょう。