今回はGREE(グリー)という会社や、GREE(グリー)に転職することについて考えてみたい。GREE(グリー)は終わったとか、未来がないという意見も散見されるがどうだろうか。
筆者個人としては、この意見に必ずしも同意できない。GREE(グリー)は時代の流れに合わせながら、ピボットを繰り返し、複数の事業を成功させてきた会社だ。
おそらく、直感的にはほとんどの方に、この意見に同意いただけないと思う。だからこそ、この記事を書いたので、ぜひ一読いただきたい。勿論、今すぐに答えは分からない。また、2、3年後にこの記事を振り返って、答え合わせをしたいと思う。
なお、GREE(グリー)への転職に限らず、事業会社に転職したい方がまず登録すべきなのはビズリーチだ。大手企業、メガベンチャー、スタートアップなど、各業界の優良求人が多く掲載されている。
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目次
GREE(グリー)の特徴
2004年設立のグリー株式会社は、モバイル向けにサービスを提供しているインターネット企業である。2025年1月に持株会社体制へ移行し、グリーホールディングス株式会社へ社名変更した。従業員数は1,551人(グループ全体・2025年6月末時点)だ。
「インターネットを通じて、世界をより良くする。」をビジョンとしており、ソーシャルゲーム事業や広告・アドネットワーク事業等を展開している。2018年からは、バーチャルYouTuber(VTuber)事業に参入した。
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GREE(グリー)の歴史
30代の方はご存知だろうが、GREE(グリー)はもともとSNSとして始まった会社だ。まだFacebookがSNSの覇権を獲得する前、国内ではGREEとmixiがSNSの覇権を争っていた。
mixiは比較的マス路線であったが、GREEは意識の高い若者をターゲットにしており、特に大学生の間ではGREEの方がオシャレで使いやすいという評判もあった。
実は、GREEは創業者で現在も社長の田中良和氏が趣味で創ったSNSである。当時、田中良和氏は楽天の社員でエンジニアであった。
しかし、サービスを創る時間や、サーバー代を捻出できなかったため、やむをえず独立し、法人化したのである。しかし、この覇権争いはmixiの勝利に終わる(残念ながら、mixiもUIや機能の改変がユーザーに受け入れられず、覇権をfacebookに譲ることになる)。
その後、起死回生の一手となったのが、ガラケーのゲームプラットフォーム事業である。GREE(グリー)のプラットフォームをゲーム会社に解放し、その売上の一部がGREE(グリー)に入る仕組みだ。
また、GREE(グリー)自体もゲームを作成、配信し、多くのヒット作を飛ばした。例えば、「ドリランド」や「釣り★スタ」といったゲームにはまった方も多いだろう。しかし、スマホの出現によってゲーム事業の勢いは衰え、大規模なM&Aも含めたグローバル展開も想定通りにはいかなかった。
現在は、主力のゲーム事業に加えて、メタバース事業や企業向けDXコンサルティングなどの複数事業を立ち上げている状況である。
GREE(グリー)の事業内容、業績
かつてはケータイゲーム業界を牽引したGREE(グリー)だが、2012年以降は業績の低迷が続いた。最盛期である2012年6月期は1,582億あった売上高も、5年後の2017年6月期は653億円まで激減。2020年以降は、600~720億円帯で売上の増減が続いている。
また、GREE(グリー)は2013年に200人規模の希望退職を募ったこともあり、業績悪化を受けて退職者が増加した時期もあった。売上高の減少と従業員数の減少、これがここ数年のGREE(グリー)の現実だったため、今後どうなるか注目だ。
ここでは、グリーホールディングス株式会社として展開している各事業について、以下の通り説明する。
ゲーム事業
| 関連グループ会社 | |
|---|---|
| ライブサービスゲーム事業 | WFS, Inc. |
| GREE Platform事業 | 株式会社グリー |
| コンシューマーゲーム事業 | GREE Studios株式会社 |
GREE(グリー)は世界初のモバイルソーシャルゲーム「釣り★スタ」を2007年に公開して以降、さまざまなゲームを開発、運営している。
グリー、WFS、GREE Studiosで運営・開発したゲームを、GREE Platform、App Store、Google Play™などを通じて国内およびグローバルに配信している。
メタバース事業
| 関連グループ会社 | |
|---|---|
| プラットフォーム事業 | REALITY株式会社 |
| VTuber事業 | REALITY Studios株式会社 |
| Web3事業 | BLRD PTE. LTD. |
全人類が物理的な制約から解放され「なりたい自分で、生きていく。」というビジョンのもと、メタバース事業を専門に取り扱うグループ会社が集まっている。
スマホ向けメタバース「REALITY」の運営や、VTuberの発掘・育成・マネジメント事業、配信プラットフォームやスタジオ・システムを開発・提供したり、資金面でクリエイターやスタートアップを支援するなど、仮想現実市場のさらなる拡大を狙っている。
IP事業
| 関連グループ会社 | |
|---|---|
| アニメ事業 マーチャンダイジング事業 |
グリーエンターテイメント株式会社 |
| エンターテインメント ソリューション事業 |
DADAN株式会社 |
グリーでは、アニメやマンガの領域で多角的に展開している。アニメ製作やライセンス、グッズ企画を通じ、原作の魅力を引き出し世界へ届けるのがIP事業の主な内容だ。
また、電子書籍管理SaaS「DEDEN」など法人向けDX支援も提供。独自のマンガアプリ「DADAN」の運営も行い、新たなマンガ体験を創出している。
DX事業
| 関連グループ会社 | |
|---|---|
| DXソリューション事業 DXコンサルティング事業 |
グリーエックス株式会社 |
| CX事業 | 株式会社ExPlay |
グリーのDX事業は、デジタルやソーシャル領域のマーケティング支援、SaaS展開を行っている。企業の事業成長を最大化し、日本の課題解決に寄与している。
アプリや観光、SNS運用を支援するSaaSや、インフルエンサー活用、DXコンサルティングなど、多様なソリューションをワンストップで提供しているのが特徴だ。
投資事業
| 関連グループ会社 | |
|---|---|
| GP投資 LP投資 |
グリーベンチャーズ株式会社 |
| STRIVE株式会社 | |
| GREE Capital Partners, LLC. |
グリーの投資事業は「ファンド投資」と「スタートアップ投資」を2軸に展開。国内外のインターネット・IT領域を中心に投資し、イノベーションと新たな価値創造に貢献している。
独立系VCへの投資に加え、「GREE Ventures」などを通じてスタートアップを支援。アーリーステージやアジア、北米のXR領域など幅広いサポートを展開している。
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GREE(グリー)の組織体制
グリーホールディングス株式会社には、主なグループ企業が14社ある。GREE(グリー)への転職を考える際に、一通り目を通しておくとよいだろう。
グループ企業
- 株式会社WFS
- GREE Studios株式会社
- 株式会社グリー
- REALITY株式会社
- REALITY Studios株式会社
- BLRD PTE. LTD.
- グリーエンターテインメント株式会社
- DADAN株式会社
- グリーエックス株式会社
- 株式会社ExPlay
- グリーベンチャーズ株式会社
- STRIVE株式会社
- GREE Capital Partners, LLC.
- グリービジネスオペレーションズ株式会社
いかがだっただろうか。各事業が今後どうなるかはわからないが、一歩先の主力となるゲーム事業や、二歩先の主力となるVTuber事業にしっかりと張っており、インターネット企業として良い事業ポートフォリオなのではないかと思う。
なお、事業内容は常に移り変わっていく。転職エージェントには最新の情報が蓄積されているから、相談してほしい。特に、ビズリーチは必ず登録し、活用すべきだ。
GREE(グリー)出身の有名人
GREE(グリー)は多くの起業家・経営者を輩出している。GREE(グリー)の成長期に責任ある仕事を任されてきたメンバーだ。以下に列挙する。
GREE(グリー)は他のメガベンチャーと比較しても、多くの成功する起業家を輩出しており、このことからも社員が成長できる環境であることが想像できる。
- 馬場 功淳(代株式会社コロプラ 代表取締役社長)【上場済】
- 青柳 直樹(株式会社メルカリ 取締役 兼 株式会社メルペイ 代表取締役)【上場済】
- 竹谷 祐哉(株式会社Gunosy 代表取締役 最高経営責任者)【上場済】
- 木村 新司(DasCapital代表、個人投資家、株式会社Gunosy 取締役 最高経営責任者)【上場済】
- 三木 寛文(個人投資家)
- 河野 剛進(株式会社バカン 代表取締役)
- 荻野 調(財産ネット株式会社資産の窓口 代表者)
- 井澤 健介(株式会社Seven Rich Career代表取締役)
- 倉岡 寛(クービック株式会社 代表取締役社長)
- 大久保 泰介(株式会社 シロップ 代表取締役社長)
- 藤田 英輝(SEGNEL Ventures Pte. Ltd Founder/CEO)
- 山岸 広太郎(株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ 代表取締役社長CEO)
- 吉田 大成(株式会社エブリー 代表取締役)
GREE(グリー)の強み
現在のGREE(グリー)の状況では、強みがなかなか見つからないという人もいる。しかし、GREE(グリー)は、SNSからゲームへの大胆なピボットを成功させた会社だ。
今は、メタバースやDXコンサルティングといった新規事業を立ち上げ安定させているタイミング。新規プロジェクトに関わる機会が多いため、自己研鑽の機会も多く巡ってくることだろう。
主力のゲーム事業の見通しが明るくない今、新たな収益源としての「新規事業」に関与できるチャンスは非常に大きい。柔軟な発想力で新規プロジェクトを立ち上げ、運営まで一通りの経験ができることは、起業を考えている20代には価値があると言える。
さらに、給与水準は悪くなく、社内の風通しもよく、若手が活躍しやすい環境だ。
GREE(グリー)の募集職種
GREE(グリー)が募集している職種は、ゲームデザイン、エンジニアリング、クリエイティブ、ビジネス、コーポレートと多岐にわたる。これは、これから新しいチャレンジを積極的に進めていきたいと考えている証左でもある。
なお、募集内容は常に移り変わっていく。転職エージェントには最新の情報が蓄積されているから、相談してほしい。特に、ビズリーチは業界に精通したヘッドハンターが多数在籍しているので登録しておこう。
エンジニア
グリーグループのテクノロジーを牽引し、ゲームやメタバース、ライブ配信といった多様な事業を支える重要なポジションである。最先端の技術に触れながら、プロダクトの価値を最大化する役割を担う。
クライアント
スマートフォンゲームやバーチャルライブ配信アプリなど、iOS/Android向けのクライアントアプリケーションの開発・運用を担当する。Unity(C#)などを用いたゲーム開発から、ネイティブアプリ開発まで領域は多岐にわたる。ユーザーが直接触れるUI/UXの実装、描画負荷の軽減、パフォーマンス最適化など、プロダクトの「体験価値」を技術面から追求する職務である。
サーバーサイド
ゲーム、メタバース、ライブ配信など、グリーが展開する各種サービスの根幹を支えるサーバーサイドシステムの設計、開発、運用を担当する。大規模なトラフィックを処理するためのAPI開発、データベース設計、負荷分散処理が主な業務となる。プロダクト開発側のサポートや、サービス側のコード解析・修正提案も行い、事業の成長を直接的に支える。
データサイエンス
ゲーム、メタバース、IP、DXなど幅広い事業領域において、データに基づいた意思決定を支援する。機械学習や統計学などの専門的知見を応用し、サービスの最適化や課題解決アルゴリズムの開発に取り組む。スケールのあるデータエンジニアリングと最先端の開発環境下で、プロダクト運営に深く貢献する役割である。
インフラ
グリーの多岐にわたるサービス全体を技術基盤から支えるポジションである。サービスを安定稼働させるためのサーバー構築・運用、監視体制の整備に加え、開発効率を向上させるための共通フレームワークやライブラリの開発も担当する。業界屈指の仲間と共に、裁量権を持って技術の守備範囲を広げることが可能な環境である。
ビジネス
ゲーム、メタバース、IP、DXといった多様な事業領域において、事業の成長と収益化を牽引する職務である。市場分析、戦略立案、アライアンス、新規事業の創出など、グリーグループのビジネスサイド全般を担う。
セールス
グリーグループが長年培ってきたWeb、アプリ、SNS、SaaS等の運用ノウハウやアセットを最大限に活用する。クライアントが抱える事業課題に対し、サービス企画、開発、マーケティングまでを一気通貫で提案し、事業の成長(グロース)を実現するソリューション提供を行う。
IPプロデューサー
グリーの注力領域であるIP(知的財産)戦略の中核を担う。プロデューサーとして、魅力的な自社IPの創出、および外部の有力IPの獲得を目指し、ゲーム化、アニメ化、グッズ展開といった多角的なビジネス展開を企画・実行するポジションである。
新規事業企画
既存事業の枠にとらわれず、グリーグループの新たな事業の柱を生み出す役割である。市場分析、事業計画の策定、サービス開発のディレクションからローンチ後の運用全般まで、事業立ち上げの0→1フェーズを一貫して担当する。経営者視点での事業推進経験が求められる。
データアナリスト
ゲーム、メタバース、DX事業を中心に、データに基づいたビジネス課題の解決を推進する。データを分析し、事業の成功を左右する重要な意思決定を支援することがミッションである。機械学習などの専門知識も活用し、社内外のビジネス成長に貢献する。
ゲームプランナー
グリーグループが展開するゲーム事業において、プロジェクトの中核を担う職務である。「自分の企画で世界を変えたい」という強い意志を持ち、ユーザーに最高のエンターテイメント体験を届けるための企画・開発・進行管理全般を担当する。
ゲームディレクター
新規または運営中タイトルの開発責任者である。ゲームコンセプトの策定から開発チーム全体のマネジメントまで幅広く担当する。アート、ストーリー、サウンドといったクリエイティブ面の総合的なディレクションを行い、プロジェクトを成功に導くことがミッションである。
ゲームデザイナー
新規または運営中タイトルの開発実務において、中心的な役割を担う。ゲームの面白さの根幹となるシナリオ、演出、ゲームシステム、レベルデザインの設計を行う。また、エンジニアやデザイナーなど他職種と連携し、開発業務全体の制作進行管理も担当する。
デザイナー
グリーグループの多様な事業領域において、クリエイティブ全般を担う職務である。ゲーム、メタバース、インターネットサービスなど、プロダクトの視覚的魅力を最大化し、ユーザー体験を向上させることがミッションである。「ものづくりへのこだわり」を持ち、最適な情報設計や魅力的な世界観を追求する。
ゲームクリエイティブ
ゲーム開発プロジェクトにおいて、作品の世界観を構築する中核的な役割である。2D/3Dを問わず、コンセプトアートの制作、UIデザイン、アニメーション、3Dモデリング、エフェクトなど、専門性の高い領域でビジュアルを創造し、ゲームのクオリティを追求する。
デザイナー
ゲーム以外のインターネットサービス(メタバース、ライブ配信、メディア等)に関するあらゆるクリエイティブ制作を担当する。ユーザーにとってより使いやすく、魅力的なサービスを提供するため、UI/UXの観点から最適な情報設計やビジュアルデザインを追求し、サービスの品質向上に直接的に貢献する。
GREE(グリー)に転職するために知るべきこと
業績はかなり下落している
先に述べた通り、GREE(グリー)の業績は、ここ5年間で売上高・利益率ともに大きく下がり、2023年6月期にやや微増したものの、2024~2025年にかけて下落している。
スマホゲームへ対応が遅れたことが凋落の一因でもある。また、主力のゲーム事業の復活も難しい。今後のカギとなるのはメタバース事業だが、不透明感はぬぐえない。
ゲームやVtuberなど希望領域が明確なら逆張りで目指すのはあり
このような状況だが、ゲームでもヘブンバーンズレッドなど中心に規模が大きいタイトルを保有し、またメタバース事業にも力を入れているのも事実だ。
落ち目で優秀な人材が流出しているからこそ、早くからこうした領域で責任ある仕事をできる可能性はある。特に未経験だがこうした業界に関わりたい人にとっては貴重な経験を得られる場所だ。
GREE(グリー)の給与事情
2025年6月期の平均年収は865万円。かなりの高給だと言って良いだろう。
GREE(グリー)は給料は高いのは事実だが、ゲーム事業に頼った事業構造を変え、次の柱を作り上げようとする第二創業期にある会社だ。大企業並みのアセットや安定感がありながらも、ベンチャーならではの醍醐味が味わえる、安定志向を求める人には不向きだ。
一方で、チャレンジ精神が旺盛な人には、チャンスの多い環境だといえる。以上のことを踏まえ、現在のGREE(グリー)になぜ転職するのか、考えてほしい。
編集後記
かつて栄華を誇ったGREE(グリー)だが、数字上では凋落傾向にある。ただし、新しい芽がでつつあるのも事実だ。
転職活動においては、最新の動向について情報収集をすることが重要である。そのためには最新の情報を持つ転職サービスを利用するべきだ。
なお、GREE(グリー)への転職に限らず、事業会社に転職したい方がまず登録すべきなのは、ビズリーチだ。大手企業、メガベンチャー、スタートアップなど、各業界の優良求人が多く掲載されている。
















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